涼太には人には言えない秘密があった。

それは女装趣味。中学生の頃から母親の化粧品に興味をひき、

不在中に化粧や衣服の着用に手を出すようになっていった。

高校1年生となったとき、バイトを始めた。もちろん目的は、女装道具を調達するための資金。化粧品、ウィッグ、そして洋服類は通販で購入した。インターネットを色々調べると、局留めが使える『そういう趣味』用の通販サイトがあったのだ。 そして一通り揃えると、完全に女装することが楽しみになった。

夜中家族が寝静まってから、こっそりと部屋で女装をする。

ポーズを決めてデジカメで写真を撮ったりして楽しんでいた。

流石に外出することは出来ないが、いつか外を歩きまわってみたいという願望は抱いていた。

火曜日、涼太はバイトの最中も終始ニヤニヤしていた。

今度の週末が待ちきれないからだ。

店長「どうした、気持ち悪いな?すっげぇご機嫌だな?」

涼太「あ、はい、実は、今度の週末、家族が用事で田舎へ帰るんです。」

店長「え、お前も?」

涼太「いや、もちろん日曜日はシフト入ってますから、家で留守番ですよぉ。」

店長「あ、そうか、家で一人になれるから、彼女でも連れ込む気なんだろ?」

涼太「いや、そんなんじゃないですけどぉ・・・。」

店長「いいなぁ、若いやつは。」

涼太「いやぁ、どこも出かけず、家で一人でゴロゴロしてるだけですよぉ?」


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