おばさんが出てくるので興味ある方のみ。





俺は首都圏のある百貨店の外商をしていて、御用聞きみたいな事を入社以来数年やっている。







普段は、呉服の展覧会とか、イベントとかを案内したり、同行したり。



大抵は大企業の社長やその奥さんを相手にしていて、一度気に入られたら付き合いは長く、深い。





そんな仕事にあって、昨年の年末、恒例の荒巻鮭を持っていった際にそこの奥さんから宿題を出された。





「丹羽くん(仮名)。次来るときね、面白いの持ってきて」





「へ??」





面白いものと言われて気が抜けた返事をした俺。





「面白いものよ?きっとね?」







彼女は俺の肩をぽんぽんと叩くと、意味ありげな表情をして俺を見つめた。





「は..はい...」







俺はその後帰社して休暇入り。

休みの間も、彼女をあっと驚かすことが出来るようなものは何かとずっと考えていた。







休み明け、俺は店の中で、彼女が驚きそうなものをいくつか選んだ。



元々、金には不自由していない人たち。





高級な物を持っていてもふぅーん、と言った素振りを見せるのは分かっていた。





だからこそ、日本初、のものや珍しい物を幾つか取り揃える。





そして車に乗り込んでお宅へ向かう。





車を走らせること10分。





信号待ちで右手にアダルトショップが見えた。



「あ..!」







妙な感じなのだが、その時の俺は彼女がきっと驚くもの。それだけに意識が囚われていて、電マとか冗談で見せたら面白いだろうな」なんて安易に、子供のような冗談のつもりで思いついた。



早速、1つ購入。

あくまでも隠し玉として荷物の一番奥へ。





「こんにちはー。」





数分後、俺は邸宅の門前にいた。





いつものことながら、ご主人は出かけていて、奥さんのみがご在宅。





俺は年始の挨拶を述べ、そして彼女との約束の品、珍奇な物を見せた。





「あらっ..」





「いいわね」





40代後半の彼女が、幾つかの品に興味を示した。





それらを手にとって、眺め、確認する。





「ご苦労さま、いいわね。頂くわ」





彼女は満足そうに言った。

だが、少し意地悪そうな顔もして、





「でも...」





「驚きはしなかったわ。でも.....」





「宿題としては、落第ね」







ふふんっと勝ち誇ったように言う。








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