現在,妹と同棲しています。
自分が高校二年,妹が高校一年の時のことです。ちなみに妹とは同じ高校です。
妹がある日突然相談があると自分の部屋に来たのです。どうやら,妹は告白されたらしく,自分に相談に来たらしいのです。ちなみにそのとき,妹に対しては妹としてしか見ていませんでした。だから自分としては「別にその人が好きじゃないなら断れば良いんじゃないか?」としか言えませんでした。
そのとき妹は,
『うんそうだよね……。』
と言ったきりでした。
その後妹は断ったらしく,その話は終わったと思っていたのですが再び妹が相談に来ました。
『断ったんだけどしつこいの。どうすれば良いんだろう?』
「断ったのにか……,まいったなそりゃ。」
と自分にしてもとても気になりました。
「そいつに会わせてくれ。俺が何とかしよう。」
『……どうするの?』
「話をつけてやるよ。」
『だめだって,また喧嘩になるじゃない。』
以前喧嘩で大変なことになったので妹も止めてきました。
確かに自分としてもそういう経験があるのでそれはやめることにしました。その後,相手は諦めたらしく妹も相談には来なくなりました。
自分もほっとしていたのですが,なんだかもやもやしたものが自分の中にあるような気がしていました。
それが何なのかその時はわからなかったのですが,何日か後に嫉妬だとわかりました。それと同時に戦慄しました。
(え?つまりどういう事?)
(妹のことが好きだって事?)
(そんなバカな……)
と必死に自分を落ち着かせていたのですが,その後妹のことを変に意識するようになりました。
その後再び,妹が相談に来ました。
『……またあの人なの……』
と聞いて,ぷつんときました。
「……わかった。そいつ,明日の放課後屋上に呼び出しな。」
『……どうするの?』
「きっちり話をつけるから。」
『け,喧嘩はダメだよ!』
「それはそいつの態度次第。人様の妹にしつこく言い寄るのがどういうことか,教えてやるだけだ。」
と言うと妹は黙ってしまいました。
次の日の放課後,屋上にいました。どうやって,相手を納得させるか,じゃなければぼこぼこかと考えていると妹が来ました。
「相手は?」
『……来ないよ。』
「は?どうして?逃げたのか?」
と聞くと妹は黙ってしまいました。
ここまで来てなんだかおかしいと感じました。何がおかしいのかはわかりませんでしたが,漠然としないものを感じていました。
『……嘘なの。』
「……え?」
『だから,告白されたって言うのは嘘なの!』
「ど,どういうことだよ,それって?嘘っていったい?」
『兄さんを試していたの。こういう相談をすればどうするのかと思って。』
「な……」
びっくりしました。なぜそんなことをしたのか。
「何でそんなことを?俺は本気で心配したんだぞ?」
『・・・・・・・・・・・・』
妹は黙っていましたが,ゆっくり言いました。
『……兄さんのことが好きだから……。』
「え?い,今なんて?」
『だから兄さんのことが好きなの!』
と言うが早いか,妹は校舎のほうに逃げていきました。
かくいう自分はさっきの『だから兄さんのことが好きなの。』と言う言葉が頭に響いた状態でしばらくボ〜としてました。